海外発祥で日本に根付いたお祭りはたくさんありますが、聖パトリックデーという日をご存知でしょうか?
アイルランドでキリスト教を広めた聖パトリキウスの命日を祝うお祭りです。聖パトリキウスは4~5世紀に実在したウェールズ人で、シャムロック(クローバー)を手にキリスト教の三位一体を説きました。
古くから列聖されており、西方教会(カトリック・プロテスタント等)では3月17日の命日は祝日に定められています。
発祥はアイルランド移民の多いアメリカで、このほか本国アイルランド、オーストラリア、イギリス、カナダなどの国々で盛大にパレードを行い祝うのです。

パレードではパトリキウスのシンボルとなったシャムロックのマークや、アイルランドのシンボルカラーである緑色のものを身につけます。
またシカゴでは川を緑色に染めたり、緑色に染めたビールを飲んだり、身に付けるだけでなくさまざまな場面で緑色を用いるため別名「緑の日」とも呼ばれます。
日本でも東京・横浜・名古屋・熊本・松江・伊勢・京都などさまざまな都市でパレードを開催しています。一昨年に東京・表参道のパレードを初めて見て感動した私は、今年は横浜・元町商店街のパレードを見に行くことにしました。
おしゃれな商店街が緑に染まりました♪
パレードは毎年どの都市でも、3月17日に前後する週末に開催されます。元町では3月14日に行われました。
みなとみらい線の元町・中華街駅(元町側出口)近くの元町プラザ前に本部・受付を置き、ここから北西の元町交差点まで、元町商店街のメインストリートすべてが会場でした。

この通りは普段でも石畳の道路がきれいで、立ち並ぶお店は老舗から高級店までどこもおしゃれです。それを背景にパレードが行われるんだと考えただけでワクワクしてきます。
パレードが始まる前、受付では見物客に無料でフェイスペインティングのサービスを行っています。また緑の風船が、商店街のあちこちで配られます。商店街に流れる音楽もアイリッシュなものが混じります。

パレード開始の13時…を少し過ぎた頃、受付前にパレード参加団体が整列し始めます。
また商店街の中心部ではオープニングセレモニーが行われ、聖パトリキウスに扮した人やアイルランド大使が挨拶をしたり、アイリッシュダンスなどのパフォーマンスが行われます。これが終わるといよいよパレードの開始です。

聖パトリキウスや大使を先頭に、バグパイプ隊、軍楽隊、アイリッシュミュージシャン、アイリッシュダンス隊、バトントワリング隊、仮装組…と、300人にものぼる参加者のパレードは、表参道より規模が小さいとはいえ圧巻です。

そして期待した通り、このパレードが元町商店街の風景にとてもよく合うのです。もう夢中になってパレードのあちこちで音楽に合わせて行われるパフォーマンスを見物しました。

たっぷり2時間ほどかけてパレードを堪能した後は、商店街の中心部でミュージックライブと、オープンエアケーリーと呼ばれるダンスパーティーが開催されます。

ケーリーとはお祭りのことを指しますが、日常でパブなどでみんなで踊る…なんてのもケーリーと呼ばれます。
今回のものもまるでワークショップのように、アイリッシュダンス団体の方々と見物客が一緒になってダンスを楽しみました。簡単な動作の踊りを3種類、手ほどきを受けながらバッチリ踊れてとても楽しかったです。

表参道、元町と見物できて、また来年も行きたい!と思っています。西の方のパレードを見学したり、今度はボランティアで運営側として参加するのもおもしろいかも知れません。
街が緑色に染まる聖パトリックデー、みなさんもぜひ体験してみてください。