ここ数年、古墳がブームになっていることはご存知でしょうか?
フェリシモのYOU +MOREブランドで、古墳型クッションが発売、古墳カフェでは前方後円墳型のカレーやケーキが楽しめ、はたまた古墳愛を歌い上げる古墳シンガーまりこふんさん(古墳にコーフン協会会長)が、TVやラジオ、書籍などで古墳の素晴らしさを世に発信し続けています。
そんな古墳ブームの一端をになくべく、古墳では珍しい埋蔵物を収めていた「金鈴塚古墳(きんれいづかこふん)」へ行ってきました。
場所は千葉県木更津市。JR木更津駅から歩いて20分。住宅街の真ん中にいきなり古墳が姿を表します。古墳というより、手入れされたツツジがきれいな丘・・・?

古墳というと、鍵穴のような前方後円墳形を思い浮かべる方が多いと思います。
この金鈴塚古墳も造られた当時は前方後円墳だったのですが、数回に渡る土地や道路の開発で、今となっては円墳の部分しか残っていません。さらに両隣は普通の民家、目の前には元は前方後円墳の前方部分を斜めに横切る道路が通っており、一見すると小さな丘くらいにしか見えません。

ゆるい曲線が円墳だということを教えてくれます。これでは古墳だとわからない!と言う方もいるかもしれませんが、そこはきちんと説明板があります。

金鈴塚古墳は、当時は全長90メートルもあり、古墳を囲むようにお堀があったことがこの説明図からもわかります。また、埋葬物も多く、飾り太刀の種類と数が日本で一番多かったそうです。きっとここに埋葬された方はみんなに愛されていた人なのでしょう。
そんな埋葬物の一部は国の重要文化財にも指定されており、現在は市内の郷土博物館 金のすずで公開されているそうです。
この説明板の横に石造りの階段と鉄の門が見えています。

説明板にある通り、横穴式石室が設けられているとのことなので、そこに行く階段かしら・・・と、どきどきしながら階段を登ります。

5~6段しかない石段で、人一人がやっとの幅の階段を登ると・・・

RPGをして、秘密の部屋を見つけた気分です。鉄の頑丈な扉がありました。その奥には石室です!

しかも当時のまま保存されています。使われている天井石や壁の石積み、手前にある石棺ももちろん、6世紀の人たちがつくり、ここに埋葬したものです。
それが21世紀の今、ここで見ることができるなんて、まるでタイムスリップしたような気分です。せっかくなので、石棺をアップで見てみました。

有力者の墓として有名なのはエジプトのピラミッドですが、ピラミッドに埋葬された王の棺は金で装飾され、ヒエログリフが刻まれたそれは豪華なものですが、日本の古墳はなんともシンプル・・・日本のわびさび文化のなせる技なのでしょうか。
石棺自体はとてもシンプルなものですが、埋葬品は純金の鈴や、馬具、飾り太刀など金をあしらった豪華なものがたくさん出土したとのことですので、時間のある方はここから徒歩20分ほどの所にある郷土博物館へ行って実物を見るのもよいかもしれません。
古墳といえば、仁徳天皇陵をはじめ、関西以南に有名で大きなものが多いですが、中まで公開しているものは多くはありません。
それが関東でこんな街中できちんと保存と公開がされているのはほかにあまり例がないかもしれませんので、ぜひ近くに来たときは石室をのぞいてタイムスリップ気分を味わってみてはいかがでしょうか。
旅データ
- アクセス:JR木更津駅から徒歩20分
- URL:https://www.pref.chiba.lg.jp/
