埼玉県川越市といえば、江戸時代~近代の街並みが良い状態で保存されている「小江戸」の代表格です。その市街地の北東、川越城跡や市立博物館のほど近くにあるのが川越氷川神社です。
閑静な住宅街で立派な社稷を伴う川越総鎮守で、創建は6世紀と伝わり、少なくとも室町時代には篤く信仰されていた歴史ある神社です。
二組の御夫婦がご祭神であることから「縁結び」にご利益ありと評判で、特にここ数年は社務所周りのリニューアルや縁結びに特化したお守りを多くお授けしていると、世の女性たちの人気を集めています。
その川越氷川神社で昨年から行われている「縁むすび風鈴」というお祭りがとてもステキだと友人から聞き、訪れてみました。

西武鉄道本川越駅から市街地を周遊するバスに乗りおよそ15分、氷川神社前バス停で降りると神社はすぐそこです。バスの待合所のベンチがとても和モダンで、入る前からワクワクしてしまいます。
県道側の鳥居から入りましたが、ここからすでに縁結び風鈴は始まっていました。白木材で組んだ棚に色とりどりの風鈴が連なり、短冊が揺れて涼やかな音を奏でています。風鈴の門といった趣きです。
本殿の方へ進むと、社務所の軒先にも透明な風鈴をあしらったり、境内のあちこちに先ほどの風鈴棚が設けられています。何と喫煙所(とっても趣ある東屋です)の周辺も、竹毬風鈴オブジェで飾っています。
風鈴だけではなく、境内には「祓いの川」という清水の小川があり、普段は人形を流してお祓いをするスポットなのですが、夜間にはプロジェクションマッピングで彩られるとのこと。

また竹灯りもあちこちに灯されるそうです。遠方から出かけたので残念ながら見られませんでしたが、みなさんが撮った写真をみると和の鮮やかさを持ちながら幻想的な演出でした。来年は夜間参拝も視野に入れようと思いました。

本殿にお参りし、向かって左の絵馬トンネルを潜って裏手の社稷を散策します。住宅地とはいえ川越市街地によくこれだけの森が残ったなと驚きました。その散策路にも透明風鈴の棚が設けられ、木々の緑を写してとてもきれいでした。
本殿右手側に回ると、今度は絵馬ではなく風鈴回廊が現れました。とても長く続き、たくさんの色付き風鈴が連なっています。ちなみにこの風鈴は参拝者が奉納したもので、短冊には願い事が書かれています(縁結び風鈴開催中も奉納可能)。
たくさんの人の願い事を乗せて奏でられる風鈴…見た目のインパクトも合わさり、とてもロマンチックな雰囲気でした。
和モダンな「むすびcafe」
川越氷川神社がステキなのは境内と催し物だけではありません。隣接する神社の結婚式場「氷川会館」の一角には、白木の家具で統一した和モダンな「むすびcafe」があります。
座席数40と決して小さなカフェではありませんが、かわいいスイーツにおいしいランチがとても人気でいつも満席状態です。筆者も行ってみたのですが、4組ほど待っているところだと聞いて諦めました。
スイーツは季節ごとにさまざまな新作が出て、また催し物に合わせたランチメニュー、それ以外にも豊富な種類のメニューがそろっています。みなさん真夏の参拝を終えてにこやかに過ごしていました。
カフェに併設して和雑貨を販売するスペースもあり、上品で可愛らしい品々は見ているだけでも楽しくなります。カフェに入れなくても、ここが見れただけでも良かったなと思わせる内容でした。
昨年、今年と大人気だった「縁結び風鈴」。来年もきっと行われるでしょう。ぜひカフェや夜間のライトアップもじっくり楽しめる心づもりで訪れることをおすすめします。
旅データ
川越氷川神社
- アクセス:川越駅または本川越駅よりバスで約15分
- URL:https://www.kawagoehikawa.jp/#/
むすびcafe
- 営業時間:4月〜11月:10:00~18:00/12月〜3月:10:00~17:00
- URL:https://musubicafe.com/home