熊本から特急電車で、およそ1時間30分。情緒ある小京都「人吉温泉」に温泉と街歩きを目的に向かいました。人吉駅に近づくと、車窓から球磨川の美しい流れを楽しむことができます。
人吉駅に到着。駅舎を出るとすぐ、大きな“からくり時計”が迎えてくれます。

運よくちょうどからくりの動く時間。人吉城のお殿様が、城下を見学しているところだそうです。旅のはじまりから何だか良いことありそうです。
さっそく、宿泊する温泉を目指しながら街歩きを楽しむことにしました。
駅から歩いて15分ほど。街の中心部にある「鍛冶屋町通り」に到着しました。小京都とも言われるように、とても風情のある街並み。今でも鍛冶屋さんが現存しているそうです。
訪ねたのはちょうど“ひなまつり”の時期。通りは飾りに彩られ、とっても華やかでした。

手作りでしょうか、かわいらしいかざぐるまも。

きっと何代も大切に受け継がれたひな人形。それぞれのお家のひな人形に歴史がありそうで、見ているだけでも楽しかったです。

ときどき、とてもゴージャスな“しめ縄飾り”も見かけました。初めて見るかたち!鶴や亀、龍や松の木など、上手にしめ縄で作られていることにびっくりです。
日本の文化は、本当に奥が深い…古き良き日本の風景にふれることができた、街歩きでした。

街歩きを楽しんだあとは、近くを流れる球磨川(くまがわ)に向かいました。球磨川は日本三大急流のひとつで、観光川下りも楽しむことができます。ボートの練習をしている人の姿も。

ガイドブックによると、このあたりは「相良700年」といわれ、鎌倉時代から明治維新まで相良氏が700年間も治めた、とっても珍しい地域なんだそうですその相良氏が住んでいたお城が「人吉城」。お城跡が球磨川のほとりの高台に残っていました。

球磨川を天然の外堀にしたお城で、この石垣は“武者返し”と言われる珍しいものだそうです。日本百名城にも選ばれています。

700年も続くなんて、きっと愛されたお殿様だったんですね。作家の司馬遼太郎さんは、ここ人吉を「日本でもっとも豊かな隠れ里」と記したそうです。
“隠れ里”のフレーズがぴったりの人吉温泉、いい意味で観光地化されていなくて、生活のなかにちょっとおじゃまさせてもらった、という感じでした。
観光スポットも、歩いて行けるところにほぼあるので、街歩きがお好きな方には、ぜひおすすめしたい場所です。
旅データ
- アクセス:JR肥薩線人吉駅下車
- URL:https://hitoyoshionsen.net/