チェスターはイングランド西部、ロンドンからは電車でおよそ2時間の距離にある、ウェールズとの国境に近い古くから栄えた城壁都市です。
現在でも城壁が3キロに渡り良く保存されていて、ぐるりとチェスター歴史地区と呼ばれる旧市街を囲んでいます。城壁沿いにはチェスター観光の目玉がたくさん!今回はチェスターを巡る城壁一周にチャレンジしてみました。

チェスターの城壁は1世紀の末からその原型が作られたと言われていて、ノルマン征服の後に現在のような町を取り囲む城壁になったとされています。
出発点は東の城壁の中央部、イーストゲートと呼ばれる門の上にある時計塔前からです。細工が美しい時計塔は1897年にヴィクトリア女王の即位60年を記念して作られました。
時計塔のある橋の上が今回目指す城壁です(ちなみみにこの写真は一周した後に撮影しています)。

イーストゲートから反時計回りに北に向かって歩きます。すぐに見えてくるのがチェスター大聖堂で、きれいに整備されたバックヤードが城壁に面しています。
ベネディクト派の修道院として10世紀ごろに建築されたものが基礎となり、何百年もに渡り増改築されたため、さまざまな様式が入り混じった作りとなっています。
入場料の代わりに寄付が必要ですが、内部の荘厳な雰囲気やステンドグラスは一見の価値があります。

城壁の上は石畳が敷かれていて、家屋が立て込んでいるエリアもあれば、木々の間を縫って通っているエリアもあります。イーストゲートから北西の角までは緑が豊富で気持ちのいい景色が続きます。

北東の角まで来ました。チャールズ王のタワーと呼ばれる塔があります。16世紀に建築された防衛のための塔で、塔の銘板には1645年にチャールズ王がこの塔を訪れたことが刻まれています。

チャールズ王のタワーを後に、北側の城壁を西に向かって進んでいきます。途中運河に平行している部分があり、運河の各地に水門が設けられています。
ちょうどナローボートと呼ばれる運河を渡る船が水門を通過していました。こうした運河網はイギリス中に張り巡らされていて、ロンドンやその他の主要都市までナローボートで訪れることも可能です。

街の西側を流れるディー川と城壁が最も近づく北西の角にあるのがウォータータワーです。かつてはディー川の中に立っていましたが、タワーの西側に港が整備された際に流域が変化したため、現在は陸地に立っています。

ウォータータワーで城壁は西側に向かいます。西側~南側のエリアは建物も多く、北東エリアとは少し印象が違います。